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Channel: 新人が語る心に残る看護場面 | 東京医科大学八王子医療センター 看護部
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腎移植を終えて

 入職して4~5ヶ月たったある日、腎移植目的で入院されるAさんの入院を担当しました。今回の手術のドナーはAさんの奥さんで、健康な体で腎臓を取り出すので、奥さんにも大きな不安があったと思います。...

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上手な採血

ある夜勤の日のことです。朝5時に大部屋の採血にいきました。隣のベッドは採血することが難しい患者さんで、先輩が交替しながらも、やはり失敗してしまいました。「こんなに刺されるのは初めてだ!」とご立腹の患者さんの声を聞きながら、私はAさんの採血のため体位を整えていました。『失敗したら、私もAさんにあんな風に言われるのかな』と勝手にプレッシャーを感じながら採血しました。「しびれなどはありませんか?」と聞いた...

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暖かい雰囲気

ある日の午後でした。今まで気管切開をし、人工呼吸器を装着していたAさんの呼吸状態が安定してきたので、呼吸器と気管切開部のチューブを外しました。すると、3ヶ月間声が出なかったAさんが涙を流しながら「ありがとう。本当にありがとう。」と私に向かっておっしゃいました。初めてAさんの声を聞いた私は、思わず一緒に涙を流しながら「頑張ってよかったですね。」とAさんの手を握りました。そのうち、先輩たちも集まり「本当...

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忘れられないAさん

Aさんは退院間近に誤嚥性肺炎を起こしICUへ転棟しました。状態が安定し、病棟に戻って数日後の夜勤で私が受け持った時のことです。呼吸苦などから夜間せん妄、不穏になってしまい、酸素マスクを外したり「家族へ遺言を」と電話をかけたりしました。終わるとベッドへ戻りますが、数分後にはナースコールを押し続け、訪室すると「そこに俺を殺そうとしている人がいる。あなたが守ってくれ。あなたが離れたら俺は殺される、お願いだ...

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痛みを取ること

眼科手術を受けるAさんは、前回も同じ手術を受けており着替えの介助やトイレまでの付きそいが必要な患者さんでした。...

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付きそい歩行

Aさんは高齢で、大腿骨骨折や人工骨頭置換術の既往があり、押し車を使用しながら歩行していました。それでもふらつきが強く、入院中は付きそい歩行を実施していましたが、ナースコールを使用してくれないので、コールマットで対応していました。 いつも通り、付きそいを始めると「何で付いてくるの?ストレスなんだよ。皆にそう言ってるのに、皆、同じ返事なんだよね」と、付き添われることに対し不満を感じているようでした。...

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あなただから

口蓋がんで放射線治療を受けている女性のBさんを受け持ちました。約1か月にわたる放射線治療で口腔内、頸部に放射線皮膚炎を生じていました。それにより疼痛、嚥下障害が生じていました。 私はBさんを受け持つ機会が多く、日々悪化していく皮膚障害に対し、痛みの訴えを聞き、皮膚の洗浄、軟膏の塗布などのケアを行っていました。...

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コミュニケーション

Aさんはがん末期の患者さまで、緩和ケアを実施していました。Aさんは看護師によって説明内容が少しでも違っていたり、レスキュー薬の配薬が少しでも遅くなってしまったりすると声を荒げることがありました。私も何度かAさんに対して対応が遅くなったり、説明が上手にできずに気分を害させてしまったりすることがありました。正直、私はAさんのことが苦手で「あまり関わりたくないな」と思ってしまうこともありました。...

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そばにいる、ということ

 Aさんは気管切開術をして人工呼吸器を使用している方でした。そのためAさんの訴えがうまく伝わらないことも多く、本人も何度も訴えるうちに興奮して呼吸回数や気道内圧が上がり、受け持ち看護師ももどかしい思いをしていました。...

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ありがとう

Bさんは食道と胃の術後で、縫合不全のため長期入院をしていた方でした。治療のため、禁飲食の時間が長く続いていたこと、多数のドレーンが挿入され、その刺入部痛があることで、Bさんは精神的な苦痛が生じていました。...

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患者さんから励まされて

Aさんを受け持ったのは、入職してから3か月ほど過ぎたことでした。その時期は患者さんの点滴交換やバイタルサイン測定にも緊張しており、初めての業務ばかりで慣れない日々を過ごしていました。 Aさんは癌が転移しており、手術や化学療法が難しい状態で高カロリーの輸液や輸血を行っていました。Aさんの入院は長期化し、私は何度も受け持たせていただきました。...

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ちょっとした一言で

私がICに同席したときの出来事です。Cさんは入院中に状態が悪化し、急遽医師から家族へ今後の方針についてICをし、DNARの方針となりました。IC中、ご家族は医師の話を涙ぐみながら聞いていました。Cさん自身は言葉を発することもできず、意識状態も低下していたためCさんの意向は確認できません。私はご家族だけでこの選択をするのは、とても心苦しいことだろうと感じていました。私自身、状態が悪化しDNARの選択肢...

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会話

私が看護師になって半年頃の話です。Aさんを入院から退院まで受け持たせていただきました。その頃の私は、先輩に教えてもらったことや仕事にただ必死についていく状況でした。もっと受け持ち患者さんと話をしたいな、と思いながらも話をする時間をゆっくり持てませんでした。私はそんな自分に落ち込んでいましたが、保清、術後の離床中、検温中などのほんの少しの間だけでも、と思い話をしていました。...

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悔しさをバネに

ある日ナースコールが鳴り、その方の部屋へ向かうと、先輩が「急変です!」と言いました。私は研修で急変時の対応を学んでいましたが、実際に急変している場面を経験したのは初めてで、頭が真っ白になってしまいました。その間にも、患者さんのご家族は「さっきまでここにいたのに、どうして電話がつながらないの!?ねぇ、出てよ!」と泣き叫びながら、必死に一緒に面会に来ていた他のご家族へ連絡を取ろうとしています。私はその様...

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もっと早く

Cさんは心不全で入院していました。呼吸状態が悪化したため、終日ASVを装着していました。私がCさんを受け持ったある日、「これ(ASV)苦しいよ。酸素が必要なのはわかるけど…。何時間だけ、っていうなら耐えられる。でもいつ終わりなのかも分からないのは辛い。これはやってみないと分からないですよ。」と話され、ASV装着に対して拒否されました。私はCさんにASVの必要性を説明し、なんとか装着していただきました...

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リハビリパンツ

Aさんは50代の終末期のがん患者さんで、もともと意思表示が少ない方でした。私はAさんの気持ちの読み取りづらさを感じ、苦手意識を持っていました。...

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つぶやき

化学療法のためにCVを挿入しているAさんとの関わりです。Aさんの入院しているチームは私のチームとは異なり、ADLも自立している方だったので私との関わりはほとんどありませんでした。私が覚えている関わりは、シャワーを浴びるための防水保護を何度か行った程度でした。...

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患者さんが教えてくれた

入職して2ヶ月経った頃に受け持ったBさんのことです。Bさんは状態が悪くなり、重症部屋に移動となり受け持つ機会が増えました。入職して間もなく知識も経験も浅かった私は、重症部屋を受け持つことにとても不安を抱いていました。...

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小さな気づき

看護師になり半年経った時に感じたことは、学生の頃によく行っていた患者さんと直接関わるようなケアがなかなかできないということでした。学生の頃には一人の患者さんのみを受け持ち、清潔ケアやコミュニケーションなど患者さんと密接に関われることが多かったです。そして看護師になっても患者さんとの関わりを第一に考えていきたいと思っていました。しかし実際の看護師としての日々は、記録や医師の診療補助業務に追われ、そのよ...

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2度目の入院

入職して半年が経ち、少しずつ業務にも慣れてきたころのことです。つい1週間前に退院したAくんが、同じ疾患で再入院することになり、私が入院の受け入れの担当になりました。Aくんのお母さんは表情も硬く、「1週間前に退院したばかりなのに、また同じ病気になってしまいました。家に帰った後もどのようなことに気をつければいいのかわかりません。何が原因でまた入院になったんですか。」と焦るように質問されました。私はAくん...

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